2025-07-24

【社員インタビュー】
できるか不安、それでも挑戦してつかんだ成長

INTERVIEW

20250722123817.jpg

インタビュイー:
Una IMD部コンサルタント 2023年新卒入社(左)
Benson IMD部コンサルタント 2023年新卒入社(右)

    スタートアジア(以下、STA)の大小さまざまなプロジェクトには、マーケティングコンサルタント、クリエイティブディレクター、Web広告運用などさまざまな職種のメンバーが携わっています。その中でもコンサルタントは、クライアントとの最前線でのやり取りを担い、異なる職種によるクロスファンクショナルなチームをリードしながら、ブランドの市場開拓という長期目標を、各フェーズのKPIに落とし込んで実現していきます。

    今回は、2024年7月〜12月(第11期上半期)において、ベスト営業賞と成長賞を受賞したBensonさんとUnaさんにインタビュー。それぞれが広告マーケティング業界でコンサルタントとして歩んできた成長の軌跡について、お話を伺いました。

―はじめに、現在の仕事内容について教えてください。担当している市場や業務の特徴、やりがいに感じていることは何ですか?

Una:

もともとはクライアントの商品を、シンガポールや香港・マカオ市場で販売する業務を担当していましたが、今年から台湾市場に切り替わり、担当クライアントも変更になりました。

大きな違いとして感じているのは、やはり法規制の部分です。海外市場では薬事法のような規制がないため、マーケティング施策の自由度が高く柔軟に動けます。一方で、台湾では薬事法による明確な制約があるため、ルールを理解し、慣れるまでに少し時間がかかりました。

やりがいを感じるのは、制作物やメディア運用の方向性について、企画チームやメディアチームと意見が一致し、立てた仮説が実際の成果につながったときです。

入社前の面接時に、マネージャーのFanさんから「コンサルタントは“船長”のような存在。もし進む方向を間違えたら、船ごと沈んでしまう(笑)」と言われたのですが、入社して1年半以上経った今、その言葉の意味を身をもって実感しています。


Benson:

私は一貫して、クライアントの台湾市場におけるブランド展開や売上向上を担当しています。

最近特に印象に残っているのは、それまで「コンバージョン(購入)」を重視していたクライアントが、初めて「トラフィック誘導(導流)」――つまりブランドの認知拡大を目的としたメディア施策にも挑戦してくれたことです。

現在では購買チャネルの多様化により、消費者の検討期間も長くなっています。実際に購入へ至るまでには、何度もブランドに接触し、印象を深めるプロセスが必要です。

最近達成感を感じたエピソードとしては、まさにその「導流施策」の提案が採用されたときのことです。クライアントとの直接的な交渉は、主に別のメンバーであるEasonさんが担当しましたが、私はその事前段階において、どのような提案であれば伝わりやすいか、どのポイントを強調すべきかといった点を一緒に細かく議論しました。

最終的に提案が通ったとき、自分もそのプロセスに関わっていたことがとても嬉しく、大きなやりがいを感じました。


―STAに入社したきっかけと、学生時代に大切にしていた価値観などもぜひ教えてください。

Benson:

私は日本で大学院を修了し、仕事でも引き続き日本語を使いたいと思っていました。また、数字の分析が好きだったため、いくつかの職種を比較検討する中で、STAの業務内容に惹かれました。

価値観としては、新しい知識を吸収することが好きで、大学時代はよく講演を聴きに行っていました。さまざまな分野の方の視点を知ることが、自分の成長につながると感じています。


Una:

学生の頃から自由を大切にしていて、自分で物事を計画し、やりきることに慣れていました。四六時中細かく管理されるのはあまり好きではありません(笑)。もちろん、分からないことがあれば自分から質問するようにしています。

STAに入社したいと思ったのも、そうした価値観と合っていたからです。自由度の高い環境で、自分のアイデアを形にできることを重視していましたし、私は発想が飛びがちなタイプなので、それを活かせる場が欲しかったんです。

また、大学時代に1年間日本へ交換留学していた経験があり、日本語を使って働きたいという思いもありました。大学で学んでいたこともマーケティングに関係していたので、業務内容との親和性も感じました。他の広告代理店とも比較しましたが、面接やYouTubeの動画などを通じて、STAの雰囲気が自分に一番合っていると感じました。


―新卒でコンサルタント職(営業職)を選ばれた理由は?「なぜこの仕事をやりたいと思ったのか」今振り返ってどう感じますか?

Benson:

正直なところ、もともと自分の性格は営業職に向いていないと思っていました。でも、あえて「向いていないかもしれないこと」に挑戦してみたい気持ちがあって、自分の限界を知りたいと思い、思い切ってチャレンジしてみることにしました。

もし大学で学んだ分野の延長線上で就職活動をしていたら、ある程度は将来の姿が想像できてしまっていたと思います。だからこそ、あえて「自分が得意ではない領域」に飛び込んでみることで、新しい可能性を広げたいと考えました。


Una:

営業という仕事は、私にとって「リーダー」の役割そのものだと感じています。大学時代、私はリーダーを務めることが好きでしたが、ある出来事をきっかけに、そのポジションに対して苦手意識を持つようになってしまいました。そのため、最初から営業という仕事に特別な関心を持っていたわけではありませんでした。

でも、当時の経験を振り返ってよく考えてみると、実は「リーダーでいること自体」は楽しかったのです。ただ、結果が思うようにいかなかったことで、挫折感や傷が残り、その印象が強く残ってしまっただけでした。その“刺”を自分の中から抜くことができれば、本当はとてもやりがいを感じていたのだと気づきました。

あの失敗は、たった一度の出来事であり、未来も同じ結果になるとは限らない。そう考えられるようになってからは、「もう一度チャレンジしてみよう」と前向きに捉えるようになりました。――挫折に負けたくない。そう強く思ったのです。(握りこぶし)

20250722125154.jpg


―入社して一番苦しかった瞬間はどんなときでしたか?そのとき、どう向き合い、どうやって乗り越えましたか?

Benson、Una:

何度もありました。(大笑い)


Una:

台湾市場を担当するようになってまだ日が浅いのですが、印象に残っているのは、以前海外市場を担当していたときの経験です。そのときはウェブ広告だけでなく、リテールマーケティングも兼任しており、オンラインと実店舗の売上を同時に伸ばさなければならないという点が大きなチャレンジでした。

オンラインとオフラインの販路は、ときに競合関係になりがちで、そのぶんリテール側とのコミュニケーションコストも高くなります。ただ、ブランド側の本音としては、両者が協力して全体の利益を最大化してほしい、という期待が常にありました。

そこで、私はオンラインとオフラインを連動させた施策を提案しました。春節プロモーションのタイミングに合わせて、オンラインで指定の割引商品を購入した顧客に対して、新しくオープンした実店舗で使える特別な体験チケットをプレゼントする、というものです。結果的に、オンライン・オフラインの両方で良い成果が得られました。

しかもこの施策、まだ提案段階のときに、私はすでに企画チームに制作の準備を依頼していました。どちらの販路にとってもメリットがあり、衝突する要素がなかったので、これはきっと通るだろうという確信があったんです。


Benson:

二つエピソードを共有したいと思います。

まず一つ目は、入社したばかりの頃のことです。当時はまだ右も左も分からず、トラブルが頻発していました。案件はすべてチームで進めるため、問題の原因を特定するのが難しく、しかもコンサルタントは統括役という立場上、どうしても最前線で責任を問われがちでした。そのため、上層部とメンバーの間でどのように調整やコミュニケーションを取るかに、特に苦労していた記憶があります。

しかしその後は、「誰に責任があるのか」という点にこだわるのではなく、チームと共に「どうすれば同じ問題が再発しないか」を話し合い、改善に集中するようになりました。

二つ目は、昨年、先輩が退職された際の出来事です。
私はそのタイミングで、ビッグクライアントの2つの商材を引き継ぐことになりました。当時は常に業務に追われており、プロモーション企画や予算管理、トラフィック誘導まで幅広く担当していました。ときには対応が遅れてしまうこともあり、非常に大変な時期でした。

その後、会社の配慮により、Easonさんと業務を分担する体制となりました。当時の毎日はあっという間に過ぎていき、自分ではあの困難を「乗り越えた」と実感する余裕もなかったのですが(笑)、今振り返ってみると、あの経験を通じて、物事の判断をよりスピーディに下せるようになったと感じています。


―「自分が成長した」と実感できた瞬間について、ぜひ教えてください。どんな仕事や経験が、今の自分に大きな影響を与えていると思いますか?

Una:

海外業務を次の後任者へ引き継ぐ経験を通じて、自分の成長を実感しました。しかも、その方はウェブ広告の経験がなかったため、自分の中でしっかり理解し咀嚼したうえで、わかりやすく伝える必要がありました。以前は上長にもうまく説明が伝わらないことが多かったのですが、今では自分の担当業務を的確に説明できるようになり、相手にきちんと理解してもらえるようになったと感じています。

また、単に「やり方を教える」だけでは不十分で、市場は常に変化しているため、引き継ぐ側にも自ら考えて動ける力を持ってもらいたいと思っています。そのためには、過去にどのような施策を行ってきたかを明確に示しつつ、それらはあくまで「参考」であることを伝え、相手が自分の頭で考え、さらに発展させられるような伝え方を意識するようになりました。


Benson:

先ほどお話しした、昨年ビッグクライアントの2商材を引き継いだときのことが、まさにその瞬間でした。 正直なところ、当時は「この仕事を続けられるかどうか分からない」と感じていましたが、約5ヶ月間その状況を乗り越える中で、自分の限界がどこまで広がるのかを実感することができました。
また、以前は先輩からの指示に従うだけの立場でしたが、今では同僚から相談を受けたときに、自分の意見を自信を持って伝えられるようになりました。


―STAというチームの中で学んだこと、印象に残っている言葉や出来事はありますか?先輩や上司、仲間とのやりとりの中で印象深いものがあれば教えてください。

Una:

Fanさんは以前の上長で、前の質問でもお話ししたように、面接の時に「コンサルタントは舵を取る者だ」と言ってくれた言葉が、とても印象に残っています。

また、海外市場を担当し始めたばかりの頃、まだ数十万単位の提案経験がなかった私に対して、現上長のHanniさんが教えてくれたのは、「コンサルタントは常にクライアントの視点で考えるべき」ということでした。つまり、「なぜそれをやるのか」「クライアントは何を重視しているのか」をしっかり捉えることで、提案の精度が高まり、承認されやすくなるという考え方です。


Benson:

面接を担当してくれた、現在の上長であるNoshinさんから、「100%満足できる会社なんてないよ。もし50%以上満足できる部分があるなら、挑戦してみる価値はある」という言葉を面接中いただいたことがあります。すべてが完璧な会社はなかなかないので、今でもその言葉が強く印象に残っています。

20250722125215.jpg


―最近、チームや自分自身で“挑戦していること”があれば教えてください。試行錯誤していることや、あえて壁にぶつかっていることでも構いません。

Benson:

最近は、それまで試したことがなかったような提案にもチャレンジしていて、実際にいくつかのアイデアをクライアントに出してみました。例えば、「先に体験して後で支払う」といったプランもその一つです。ただ、やってみると予想以上に工数がかかることが分かって、そこは少し大変でした。

もう一つは、新規顧客向けのオンラインアウトバウンド施策です。昨年にも一度話題に上がったのですが、最近パートナー企業から改めて提案があり、実行に向けて動き始めています。初めての試みということもあり、さまざまな課題が出てきました。例えば、提供されたリストの中に既存顧客が多く含まれている可能性があったため、こちらで持っている既存リストを提供してフィルターをかけるべきかどうか悩んだり、パートナー企業のコスト構造にズレがあったりなど、クライアントとの調整も何度も必要になりました。

実際かなり時間を要しましたが、やってみないとどこに問題が起きるか分からない部分も多く、今後の提案や計画を考える上で貴重な経験になったと思います。


Una:

今の案件チームに加わって、もうすぐ3か月になります。クライアントが変わると、重視されるポイントも大きく変わってきますよね。現在対応しているご担当者様はとても細かい部分まで気を配る方なので、今の自分の目標は「いかにコミュニケーションの効率を上げるか」です。例えば、1~2通のメールでこちらの意図を的確に伝えられるよう意識しています。


―今後、どんな自分になっていきたいですか?理想とする姿や、目指したいビジネスパーソン像を教えてください。

Benson:

現時点では、これといった理想の姿があるわけではないのですが、同僚であるEasonさんの持っている特性を自分にも取り入れることができたら、もっとバランスの取れた人間になれるんじゃないかと思っています。働き方や性格は、私たちの性格はかなり極端で対照的なんです。


Una:

ほんと、二人は極端なくらいタイプが違うよね。


Benson:

(笑)僕は細かいところが気になりすぎて、すべてを完璧に確認してからでないと外に出せないタイプなんです。時には考えすぎたり、心配しすぎたりすることもあります。

でも、すべての細部にこだわる必要はない場面も確かにあって、彼のように「力を抜けるところは抜く」という姿勢を少しでも取り入れられたら、自分にとってプラスになると思っています。


Una:

うわ〜この質問は難しい~。

私は「この人が理想」というよりは、身近な同僚やマネージャーの良いところを少しずつ取り入れていきたいと思っています。

例えば、Fanさんは人を見る力が鋭くて、分からないところがあると、ただ答えを教えるのではなく、考えるヒントをくれるタイプです。まさに「魚ではなく釣り竿を渡す人」という感じですね。

Hanniさんは、その釣り竿を使えるようになったタイミングで、いくつかの方向性を具体的に示してくれます。

さらに、Noshinさんのようにロジカルな思考力があれば、その中から「どの選択肢に最も可能性がありそうか」を冷静に判断できる気がしていて(笑)、そういった強みを自分の中にもバランスよく身につけていけたらと思っています。


―最後に、これから就職活動を始める後輩や、新入社員へのアドバイスや励ましの言葉をお願いします。

Benson:

Noshinさんのあの言葉は、本当に心に残っています。「満足できる部分が50%以上あれば、試してみる価値がある」と。会社は人で成り立っているから、完璧な組織なんて存在しないんですね。

もう一つ、自分にとって大切だと思っているのが「粘り強さ」です。提案って、クライアントに却下されることも多いのですが、どうしても実現させたい企画があったとき、何度も「なぜやる価値があるのか」を説明し続けて、ようやく実施にこぎつけた経験があります。

また、断られる可能性が高くても、伝えたい価値観や考えがある提案はあえて出すこともあります。実行に至らなくても、その認識を持ってもらえるだけで意味があると思っています。


Una:

自分のことを「実践者」という立場に置くことですね。STAでは、自分のアイデアを実際に形にできる環境が整っているので、アイデアを最後まで実現できる環境です。ただ、結果にあまりこだわりすぎないほうがいいと思います。なぜなら、成功には「天時・地利・人和」が関わってくるからです。

時には、これまで誰もやったことのないアイデアを実行に移すこともありますが、それ自体が非常に価値のあることだと思っています。私は結果よりも、プロセスを重視し、一歩一歩全力で取り組むことを大切にしています。

また、私が密に連携している管理職の方々はとてもコミュニケーションが取りやすく、私の考えや提案の方向性を過度に制限することはありません。不適切なアイデアがあれば、理由を明確に説明してくれるので、そのようなやり取りはとても良いと感じていますし、多くのことを学べています。


ーありがとうございました。
 今後のご活躍も期待しております。


        

<本件に関するお問い合わせ>
会社名:​亞星通股份有限公司(​STAR TO ASIA CO.,LTD)
所在地:台北市松山區八德路3段36號13樓
URL:http://www.startoasia.com/index.php